人は二度死ぬ

私の故郷では、親族の中に霊感の強い人が必ず一人はいて
お盆などの行事(拝み事)にはその人を中心に行う所が多いです。
先日帰省した折、そんなおばさんとの話しの中で
私の守護をしている人(?)の話しになり
母方の祖母(私からみて曾祖母)ではないか、と言われました。
母も、祖母も「拝み事」には疎い方なのですが
その曾祖母は一生懸命していた方だったそうです。

私が生まれる前に亡くなっているのでもちろん記憶はありません。
どんなご縁かわかりませんが
私を守って頂いている方ということで
名前を知りたいと思い、母に聞くと教えてくれましたが
その夫である曾祖父の名前は、覚えていない・・・知らないとのこと。
早くに亡くなり、母も既に結構な年齢で思い出すこともほとんどなかったので思い出せないというのです。

祖母も亡くなり、母方の実家のお仏壇がある長男叔父さんの家とは
疎遠になっており
わざわざ訪ねていってお位牌を見せて貰うことも気が引けるので
どうしようもないのですが
母方の親戚を見ていて、こういうことに関心のありそうな人もなく
皆年老いて・・・位牌やお墓はあっても
もう誰にも思い出されることもなくなっていくんだなと思いました。

「人は二度死ぬ・・・一度目は肉体の死、二度目は自分を知っている人々がいなくなっていくことによる永遠の死」
先日、隣家の葬儀での住職の言葉でした。
後世に名を残すほどの人でなければ
そうなって行くことは自然なことのようにも思えます。
曾祖母の名前を知ったことは
なんだかとても重要なことのような気がしました。


そうそう、縁があって私を見守って頂いている「ひいおばあちゃん」も
あと5年後には私の元を離れるらしいです。

ええっ!?なんで?と思いましたが
その予定になっているのだそうです
どういうシステムなのか、
現世の人間には知りようもないのですが
ちょっと面白いなと思いました。
・・・「それまでの間、フツツカモノの私ではありますが
どうぞよろしくお願いします」と心の中で手を合わせました。