「深夜プラス1」

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久しぶりにかなり長編の小説を読んだ
 
「深夜プラス1」
海外のミステりーというよりもハードボイルド小説。
 
レジスタンスの主人公ケイン(カントン)が、昔の仲間からある実業家をフランスから
リヒテンシュタインまで送り届けることを依頼される。
かなりヤバイ仕事になることが予想されるのでガンマンを仲間に加え、実業家と何故かその秘書の
4人でフランスを無事に脱出することができるか・・・
 
というお話。
 
主人公もガンマンも若いときはレジスタンスとして、理想や希望に添って生きて行けたのに
戦争が終わって後、生きる為の術として「警護」という仕事をせざるを得ない。
たんなるハラハラドキドキのお話ではなく、登場人物それぞれが抱えている問題なども
描きながら、まるでロードムービーを見ているかのような錯覚に陥るほど描写が素晴らしい。
でも・・・最初はなかなか物語の世界に入っていけなかった。
あるきっかけで入ってしまうとあとは一気に最後まで読んでしまった。
 
男性ならでは、の銃や車へのこだわりが随所に見られ、そういうものが好きな人にとっては
2倍、3倍楽しめると思う。
 
主人公は、自分のレジスタンス時代の「戦術」「火器(銃)」の経験をフルに活用し、何度も
ピンチを切り抜けていく・・・
その緻密な計算・思考や、時に理屈を越えた動物的な勘・・・ものの言い方(和訳されてるけど)・・・・
読みすすめていくうちに自分の知っている人を思い出し、その人が主人公になっているかのような錯覚を
覚え始めてから、どんどんその世界に入っていけた。
 
その人に会ったら「おつかれさま~」って言ってあげたい(笑)