少し困ること

ある檀家のAさんから、何度も法事の確認の電話が入る。
「来月○日の10時から、奥様の23回忌ですね。お時間お取りしていますよ。」
実は同じ内容で5回目の会話・・・

「すんませんなぁ、何回も聞いとるのに忘れてしもて」と恐縮しているけど
またお忘れになって「確認」の電話が入る。
メモしてるらしいけどその紙を失くしてしまうようで
「カレンダーに印を付けると良いですよ(^^)」と言うと
「今年の年忌はいつやったかな」(・・・今話したばかりですけど
「来月の○日に奥様の23回忌ですよ」
「何時からやったかな?」
「お寺で10時からですよ」
「他の(家族)年忌あったかいな・・・」
「今年は奥様お一人だけですよ」
「えーと、何回忌やったかな」
「23回忌ですよ」・・・
ひとしきり何度か確認し合い、
「何回も聞いてすんませんだなぁ・・・」
「いえいえ、またお尋ねになって下さいね」と言って電話を切る。

半年前から少しずつ「ん?」と思うことがあった。
Aさんは以前区長や檀家総代を務めて頂いたこともあり
行事やお葬式などではいろいろと動いてくれていた。
今は、一線から退いているものの、そのときの記憶がよみがえってくるのか
ある葬儀の時、何度もお通夜の開始時間を尋ねてきた。
「何時でしたかいな?」
「7時ですよ」
ところが本人はお通夜に行かなかった、というか行けなかった。
「誰もワシに(お通夜の)時間を連絡してくれなかった」

夜中に電話がかかってきて、ひどく気落ちした声で
誰からも連絡が来なかったのでお通夜に行けなかったと言われたとき、
「?」と思ったが、夫に最近Aさんの様子がちょっと・・・と聞いていたことを
思い出したので
あれこれ言うとややこしくなるので、気持ちに寄り添うというか
「そうでしたか~それは残念でしたね。」と一緒に沈んだ。。。

Aさんは心底がっかりした様子で、自分はお寺のことや地域のこと、こんなに頑張ってるのにこんな仕打ちでは、もうお寺の役員なんかやってられない、と言いだし
いつのまにか、お寺(私?)が連絡してくれなかったという展開に・・・

それではあまりにも事実誤認なので、
「Aさんにご連絡させて頂いたのですが、こちらの言い方が悪かったかもしれませんね、次からは気をつけます、本当に申し訳ないです」と相手の気を損ねないよう、
気を使いながら、会話をまとめる方向にもっていった。
元々、優しい性格の方なので、最初は文句を言っていたけど
「いやいや、奥さんのせいじゃないから」と許して?くれた。

こういうのがいわゆる認知症(初期?)なんだろうな・・・
高齢といってもまだ70代半ば、見た目はまだ元気そうなのだけど
一人暮らしだといろいろ不安に思うことがあるらしく
他のことでもよく電話がかかってくる。
これからもこういうことって増えてくるかもしれない。
対応の仕方をどうして良いのかよくわからないので
ちょっと誰かに聞いてみよう・・・と思う今日この頃。。。