身辺整理

先日、実家両親が来た。
京都で開催されている博物館展を観に来ないか、と
誘ったことがきっかけ。

母は、地域の老人会、婦人会、ガーデニングクラブ、こども会など
退職後、何かしていないと死んでしまうから(^^;)と
いろんな団体に入って活動していた。
どこでもなんとなく役職を押しつけられては引き受けていたので
家のことも含めてかなり多忙に過ごしていた。

「完全に繋がりを断ってしまうのも寂しいから一つだけ残して
3月末に他のサークルやクラブは次の人に引き継ぎをして全部辞めてきたのよ~」
(同世代の)おばちゃん達とおしゃべりしてる時間がもったいない、煩わしくて。と母は笑って言った。

80を目前に、自分の「残り時間」を大事に過ごしたい。
好きなこと(水墨画)にもっと集中したい、と
思ってるところへたまたまこちらに来る機会が巡ってきた。
これを良い機会だと思い、一つの区切りをつけることにしたのだとか。

禅画、禅寺の庭園、季節の樹木、電車、多くの人、娘や孫が暮らしている場所の空気、風、音・・・さまざまなものが
母には良い刺激になっただろう
「この先どうなるかわからないけど
死ぬときに、『もっと絵を描きたかった』なんて思いたくないでしょ」

そのための「身辺整理」・・・
年を重ね、そろそろ人生の終わりに近づいていると思うと
無欲に、自分のやりたいことだけに集中したい

人生の様々なドラマを乗り越えて
これからは自分のために時間を使いたいという母。

清々しい、そんな言葉が浮かんできた。