タクシードライバー

タクシーに乗って行き先を告げる。
余計なことは言わない。言ってはいけない
何故なら・・・
本土からの観光客だとわかると、ちょっと遠回りしてメーターを稼ぐワルイ運転手がいる、と聞いたから。
 
地元の言葉を、地元のイントネーションで喋ったはずなのに
「お客さん、関西から来たの?」・・・
「わかります?」
「わかるよ~。」
「結婚して向こうに住んでるんで・・・」と聞かれてもいないのに言い訳したりして・・・
 
昨日、乗ったタクシーでも、簡潔に行き先を告げたつもりだった。
でも、「お願いします」と言ったかも。
「お客さん、関西から?」
 
う~ん、またバレたか
わかりますか?
わかりますよ~!という運転手の名前カードを見ると
地元によくある苗字ではない。
「運転手さんはどちらから?」と聞くと、関西のある地方からだという。
 
しばらく関西ローカルな話題で盛り上がった。
よほど関西からの客を乗せない限り関西弁を聞くことはないので、たまにこうやって関西弁で
話せるのが嬉しいんだとか。気持ちはわからなくない。。。
 
故郷を離れたところで、仕事をして、結婚し、離婚し、今更故郷にも帰れない・・・
(そんな話聞かされてもどう反応したらいいんだ?)
 
目的地に着いて、車を降りると
「お客さ~ん!」と呼び止められた。忘れ物かと思い振り返ると
小さな紙片を持っている。
 
「また何かあったら呼んでくださいね~」
タクシー会社名と乗務員の名前が印刷されたカードとケータイの番号が。
そこまでして、喋りたいのね、関西弁。。。
 
でもそんなヘヴィーな話、ちょっと困る