調整役
娘が「見て見て~」と得意げにスケッチブックの絵を見せてくれた
「初・デッサンだよ~!」
薄皮が少し残っている玉ねぎ・・・
光の当たり具合とか、イメージ出来るような「質感」もまぁまぁうまく描けてるな、と思い
「上手やな~。おとーさんにも見せといで」というと、娘はイヤだ、という。
「だって~、おとーさんな、別に聞いてもいないのに『ここがもうちょっと』とかあれこれ言うからイヤや」
「まぁ、そう言わんと・・・せっかく上手に描いてんから、おとーさんにも褒めてもらい(なさい)」というと
ちょっと気を取り直して、父親に見せていた。
ところが・・・嗚呼。。。やはり娘が言ったように
ここはもうちょっとこうしたらええで、などと「アドバイス」している。。。
ん~。。。
「絵を描く人」だからか、私のような素人と違って最初に「よく描けた」という事実よりも
テクニックについてどうしても言いたくなるようだ。
「も~!だからおとーさんに見せるの、イヤやったのに~!」
「でも、いろいろ言うなかでも、『そやな』、と思う部分はあったやろ?」
「それはそうやねんけど・・・」
「おとーさんはな、あんたに、もっと上手になってもらいたいねんで。なんでもかんでも褒めてばっかりやったら
それ以上伸びないやろ。『そやな~』と思って聞いとき」
釈然としない、という表情で自室に戻る娘。
娘が退場したので、もう片方に
「いろいろアドバイスしてくれたんやな~。技術指導してもらえてあの子もラッキーやな。
最後にダメ押しでひとこと褒めたらもっと調子に乗るかもね。おとーさんに褒められたらうれしいみたいやで」
「褒めたで」
「相手に伝わるような褒め方せんと、お子ちゃまには伝わらへんで。せっかく良いこと言うてあげてんから」
最近、私は調整役が多い。。。
ちょっと父親を疎ましく思い始めた「穏やかな反抗期?」の娘と
俺はやるべきことはちゃんとやってる、の頑固おやじ・・・
「通訳」も結構大変だ・・・