予言

友人のブログで、ある数字を目にした。

ああ、覚えていたんだ・・・


彼女は、ずっと以前私に話してくれたことがあった。

「親族の中に『霊感』が強い人がいてなんでもよく当たるの。その人に突然
『あなたは○歳までだよ』と言われたの。○歳まで生きる、ということなんだって。
その時はまだ若かったので、○歳で人生が終わるというよりも、
ああ、良かった!ノストラダムスの予言は外れるんだ!と嬉しくなったんだ~

私と彼女は同い年。
高校時代に知り合い今もずっと連絡を取り合い、心の内を話せる数少ない友人、
なので私はずっと気になっていた。
気を付けてね、と言うのも変だし、そもそも
彼女はそのことを忘れているかもしれない、あるいは
ものすごく気にして怖がっているかもしれない、
わざわざそんな不吉なことを言う必要はないと思い、そっと胸の中にしまいこみ
緊張した1年を過ごした。

しかし、その数字をもう2年も越えた。
「予言」は外れたのだ。

無事にその「年」が過ぎた時、私は心底ホッとした。

もうそのことは話題にすることもないな、と思っていた矢先
いきなりその数字が目に飛び込んできたので驚いた。

「誰にもこのことを話さず、心穏やかにその日を迎えたいと思っていた」と。

母親や祖母を早くに亡くし、多くの人との出会いと別れがあり
幼い頃から不穏な家庭の中で過ごし、いつも自分を否定する影に苛まされていたことを知っていたので、彼女がその予言をどう受け止めていたのか気になっていた。

「自分がこの世からいなくなってもいつか生まれ変わる・・・
何度も生まれて生きていると思えるとき、すなおに心がやすまる」



思えば、誰もが自分の寿命というものをしらず、
「今日」の延長であたりまえのように「明日」があると思っているが、
いつそれが忍び寄ってくるのかわからない。
「死」を意識することで、今日という日の重みを感じて生きる、
今世でいったん決別しても、また次の世がと思う事で
毎日のことがいとおしく思えてくるだろうか・・・