問題が問題

去年のお盆にも、秋のお彼岸にも、春のお彼岸にも
前の住職の奥様はお出でにならなかった。

「桜の咲く頃に行きたいと言っていた」
「水曜日に(来る)らしい」と人づてに聞いていたが昨日も来なかったので
もう来られないのかな、と思っていたら

庭掃除をしていると遠くに人影が見えて、先住の奥様だと分かった。

「お久しぶりです」「ご無沙汰しています」と互いに挨拶して
本堂に上がっていただき、ろうそくやお線香に火を灯す・・・
奥様が手を合わせている間にお茶を用意していると

「今日はね、あちこちいかなくちゃ行けないから、もう結構ですよ」と
声がかかったので慌てて本堂に戻り
「お盆の時に、また是非お立ち寄り下さいね」と言うと
「是非、今度ね」と応えて下さった。

難波駅近くに住んでいるので、大阪に来ることがあれば声かけてね」と言って下さったので
「いろいろお話を伺いことがあって・・・」と言うと
「わぁ、何の話~?難しいことはわかりませんよ~」と笑ってくれた。

先住の一人息子は、僧籍を継がなかった。
(それ故、住職が亡くなった後、お寺を出ることになった)
私の息子も、僧籍は別にしても住職となってこのお寺を継ぐということは無いだろう。息子とは何度もそのことで話をしたがとてもデリケートな問題なので
一度、同じ立場であった先住の奥様にいろいろ話を聞いてみたいと思っている。

高島屋の近くにね、美味しいお店があるのよ。そこ、教えてあげるわ」
「それじゃそこでお昼、ご一緒しましょう!」
・・・結局食べる話で盛り上がった(^^)

お寺に生まれがために、それも男児で第一子となると
「後継者問題」は避けて通れない。
いろいろな思いを含んだこの問題は
相当深い、深い問題なのだ・・・