ふんばりどころ

どんなに大きくなろうとも、
自分の産んだ子どもはいつまで経っても「子ども」
特に最初の子の「経験」は、親にとっても最初の経験。

初めての寝返り、初めてのランドセル、初めての受験、初めての成人式
ここまでいろいろあったけど、なんとか就職にこぎつけて
ホッとしていたのだけど・・・

社会人2年目の息子は今年大きな役割が与えられ
責任の重さに押し潰されそうになりながらも
チームリーダーとして頑張っているんだな、と思っていた。

あるとき、「吐き気を治すにはどうしたら良い?」と電話があった。
話を聞くと、体の問題というよりもメンタル、
職場の人間関係で問題があることがわかった。
息子の側からの話しか聞いていないので
客観的な事実がどうなのかは分からないけど
本人が乗り越えなければならない問題、親はどうしようもない。

職場で話を聞いて貰えそうな人が一人でもいると全然違うのだろうけど誰にも相談出来ないのだとか。
責任感が強く、周囲に気を使いすぎて言いたいことも言えずに呑み込んでしまうところがありそれが体の不調に繋がっている。
親としては気になって仕方ない。

働くことの難しさは、社会人の経験が少ない私でも知っている。
心が折れそうになったことも、同僚と互いに支え合うことも
自分のしたこと(仕事)を評価されて嬉しかったことも・・・

今が一番しんどい時かもしれないね。
もうちょっと踏ん張ってみよう・・・

果たしてそんな言葉かけが彼にとって意味のあることになるのか
わからない。
わからないけど、言わずにはいられなかった。

「しんどくなったら、また言ってな。いつでも聞くから」
いつも電話の最後にいう言葉。
聞くのは親の仕事だからね。聞くことしかできないけど。