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先日、「災害時通訳・翻訳ボランティア養成研修」に行ってきました。
県の広報でこういうものがあると知り、ものは試し、で行ってみました。
 
災害発生時に、自分のことだけで精一杯になっているだろうに
人様のお役にたてるようなことなんて出来るんかいな、とも思ったのですが
娘の学校に来ているALT(外国語指導助手:ネイティブスピーカー)や
近隣の村に住んでいる外国人を何人か知っているので
彼らのために何か自分ができることもあるかな、と思い
ちょっとお勉強してきました。
 
私は「英語」枠で参加しましたが、他に中国語、韓国語、スペイン語ポルトガル語などの枠組みで
それぞれ6人程度のグループに分かれ
在日外国人の講師による講演を聴き、その後に例文を翻訳する作業をしました。
 
災害発生時に、誰もが命の危険や生活の見通しなどに不安を覚えますが
日本に生まれ育っていない人達には、それに加えて特有の問題があります
日本語をよく知らないと、流れてくる情報も理解出来ない、
すべてが混乱していて在留資格など外国人特有の問題や
そもそも母国で地震が無かったり、防災訓練などをしたこともなければ、
余震、防災グッズ、避難所、罹災証明書、炊き出しなどの言葉を(母語でも)知らなかったりするのです
防災知識の差や、その国の背景など違いによる理解度の格差が存在するということを
改めて知りました。
 
地震や災害発生直後から各ボランティア団体(今回参加したような災害時多言語支援センター等)には
公的機関やいろいろなところから情報が流れてきますが
日本語をあまり知らない人達にどう伝えていくか、ということで
まず情報を収集し、緊急度の高いもの(ライフラインや避難所など)、
外国人にとって特に必要なものをより分けて翻訳していきます
多言語対応の必要性はもちろんですが、
「日本に居住していて簡単な日本語は理解出来るが必要としている母語での翻訳がない」場合のために
易しい日本語表記も求められる、と聞いてなるほど、と思いました。
 
旅行者だけでなく、近年外国から日本に移り住んでいる外国人の中には
そのコミュニティだけで生活していて、あまり日本語を知らない人や
病院や役場などで多言語で対応していないところも多く、必要な情報が行き渡っていないなど
地域のセーフティネットからこぼれ落ちている現状があります。
「このような日頃の問題の延長線上に『災害』がある」という講師の言葉は印象に残りました。