木蓮

車の中で、夫が義母と電話で話していた。
義母の声が洩れ聞こえてきた。
検査の数値が良くないらしく、「次」の薬に替えるかどうか主治医から言われたが
それほど強い薬をしないといけないということは、
「私はもういよいよだめなのかなぁ」・・・

いつもは明るい義母が珍しく気弱なことを言っている。
現状では対処療法しか出来ないということながら、
これまでなんとかやり過ごしてきた義母には、
知りたくない現実を知らされ、生きる張り合いを奪われるように思えただろう・・・

暗い気持ちを少しでも和らげるにはどうしたら良いか・・・
義母が可愛がっている娘をつれて顔を出して来ようと思いついた。
娘が選んだということにして、桜餅を買って義母を訪ねた。

やはり、孫の力は絶大だ。
娘の顔を見るなりにこにこと上機嫌で迎えてくれた。
娘が得意の(?)折り紙で「バラ」をいくつも作って見せると義母がとても喜んでいた。娘が小さい頃、同じように義母と折り紙で遊んでいた姿を思いだした。
一緒に夕飯を作って食べて帰宅すると
センサーライトが反応して明るくなった庭に木蓮の花が浮かび上がる。

このところの陽気で一気に、一斉に開いた木蓮がとてもきれい。
遠くに満月が見えた。
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