理想と現実

変な夢を見た。

「恋人」が殺人事件の犯人と疑われ(無実の罪を着せられている)
一緒に逃亡することに。
映画のような無国籍の街のなかを車で逃げ、
やがて、美しい海岸に辿り着く。
人気(ひとけ)の無い浜辺の小屋の中で、何者か(警察?マフィア?)に
追われ、この場所が突き止められると銃撃戦になって死ぬかもしれない。
これからどうしようと絶望的な気持ちに・・・


どうしよう、どうしよう・・・と
ふと顔を上げて、「恋人」を見るといつもの見慣れた夫の顔になっていた。

「えっ・・・な~んだ

とたんに、映画のヒロインだった私も、いつもの「私」に戻った。

「もう、パパ、あなたやってないんでしょ、だったら
やってないってちゃんと話したら?何も言わないで逃げてるから追っかけられるんじゃないの?」

なんだか、悪いことをした子どもを叱るような口調になっている私。

「おう、そやな。そもそもなんで俺が逃げなアカンねん」と夫。


私は到底映画やお話の中の「美しいヒロイン」にはなれないんだな、と
思って少し悲しくなった。