渇しても

結婚して間もない頃、義父が「リフレッシュ休暇」を使って沖縄に行き
私の実家で宿泊したことがあった。
 
父はいろいろな意味で義父とは「反りが合わない」と思いつつも
娘の婚家の親ということもあり最大限の「おもてなし」で
自ら運転していくつかの観光地を案内した。
 
車中、自慢気に自分のことをあれこれ語るのを「我慢」して聞いていたが
地元の議員を利用して、自分に有利になるようなことをさせた(?)という話しを延々と聞かされ
うんざりした父は
「○○(義父)さん、これはね、もう生き方の問題だけど
私は『渇しても盗泉の水は飲まず』という生き方ですので・・・」と言うと
そこで、会話はなんとなく途切れた
 
「・・・ということがあったよ。
君が結婚してすぐの頃ならこんな話しはしなかった、けど
もう、今なら話しても大丈夫だろ?
あんなヤツのことだから、大体どんなことを言ってるかってわかるよ。
その中でも、○○(私)ならなんとかやっていけるだろう、って母さんと話してたさ
 
思わぬことから、父との会話の中で
こんな話しを聞いた。
 
渇しても盗泉の水は飲まず・・・
「さすがにこれはちょっとマズかったかな、と思ったけど
オレにはあんな話しを聞かされるのが耐えられなかったんだよ」
うん、うん、わかる、わかる・・・
 
父には、あまり言ってなかった、義父から受けたイヤなことの数々・・・
この際だから言ってしまおうか、とも思っていたけど
なんだか、もういいか、と思えてきた。
細かくあれこれ言わなくても、知ってくれてる
父がわかってくれてると思うと、
電話を切ったあと、
大きく、大きく包まれているような安心感が広がった
 
 
20年来のモヤモヤした気持ちは、今日でおしまいにしよう
 
 
 
ちなみに
知らなかった~